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著作分類 IIRワーキングペーパー
著者 木村めぐみ
論文タイトル なぜ、「二つの文化」は、イノベーションを妨げるのか:クリエイティブ産業の問題
機関名 一橋大学イノベーション研究センター
ナンバー WP#17-09
公開日 2017/05/24
要旨 本論文では、クリエイティブ産業特有の問題を明らかにした。クリエイティブ産業とは、英国のブレア政権[1997-2007]によって創られた産業(イメージ)であり、技芸[art]、つまり、人が知識を活用するプロセスの論理に再構築された「企業者」(Schumpeter 1912)像である。その問題とは、創造の機会であり、「二つの文化」という言葉に集約できる、人間関係上に見られるあらゆる対立や衝突である。第一に、二つの文化とは、C.P. スノーという作家が1959年に行った講演タイトルの一部であり、文学的知識人と科学者の間の対立や不和、衝突を表す言葉として知られてきた。その要因は、イメージ、知識、言語を変換している人と、人を取り巻く時間(の経過)と場所(の変化)にあり、この現象は、組織内、顧客との関係など、あらゆる人間関係に発見できる。二つの文化は、提起されてから半世紀が経っても、解決されるどころか、近年では、Tett (2015)がサイロエフェクトという言葉を使って論じているように、特定の国や職業だけでなく、あらゆる場で指摘されている。第二に、二つの文化は、特定の教育的バックグラウンドや、職業の問題というよりは、知るという行為と創造の対立である。共有されている知識が不均衡な状態でもあり、この状態は、情報が不足しているだけではなく、その理解の方法や程度の違いによって生じている。第三に、クリエイティブ産業の創造とは、共有されている知識の不均衡な状態を発見し、その解決された状態=イメージを伝達・共有し、その実現へと導くプロセスである。二つの文化がイノベーションを妨げるのは、共有されている知識に問題を発見できていない、発見できているにもかかわらず、その問題を創造の機会に変換できていない、解決された状態=イメージだけが創造され、語られはしても、実現されていない場合である。
備考
参考URL
ラベル クリエイティブ産業
登録日 2017/05/24

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