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著作分類 IIRワーキングペーパー
著者 木村めぐみ
論文タイトル 創られた階級:クリエイティブ産業の働き方
機関名 一橋大学イノベーション研究センター
ナンバー WP#17-10
公開日 2017/05/24
要旨 本論文では、クリエイティブ産業特有の働き方を明らかにした。クリエイティブ産業とは、英国のブレア政権[1997-2007]によって創られた産業(イメージ)であり、技芸[art]、つまり、人が知識を活用するプロセスの論理に再構築された「企業者」(Schumpeter 1912)像である。その働き方とは、対立や闘争を見せることではなく、客観的な事実で説得することでもなく、対立や闘争の先にあるビジョンの伝達・共有と、その実現に向けた実践である。第一に、クリエイティブ産業は、「階級に取り憑かれた国」(Cannadine 1998)のための、古い、伝統的な階級に変わる、新たな階級として提示されたアイデアとして再考できる。第二に、Schumpeter (1912)も企業者を階級として論じていたが、クリエイティブ産業とは、企業者が高く評価される社会のために創られた産業である。特定の産業に定義づけられたのではなく、イノベーションを実現した人や組織から発見できた事実で構成されたのでもなく、イノベーションを実現できる人や組織の条件を明らかにするためのイメージである。第三に、クリエイティブ産業とは、英国が、「二つの国(民)」(Disraeli 1846)と「二つの文化」(C.P. Snow 1959)という言葉で共有してきた二つの問題、つまり、人々の所有の差と知識の差を共に解決できる人や組織である。クリエイティブ産業では、言語化・数値化された序列(肩書きや職級、年齢など)よりも、創造の成果に基づくヒエラルキーが重視され、階級闘争は、工業社会のそれとは違い、言葉で語られるのではなく、現実として見せられるのでもなく、想像上で行われている。クリエイティブ産業とは、特定の人や組織だけでなく、誰もが「企業者」になることができる社会のために、また、「企業者」が高く評価される社会のために創造された新たな階級である。
備考
参考URL
ラベル クリエイティブ産業
登録日 2017/05/24

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