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著作分類 IIRワーキングペーパー
著者 木村めぐみ
論文タイトル クリエイティブ産業のイノベーション:表現としての創造
機関名 一橋大学イノベーション研究センター
ナンバー WP#17-13
公開日 2017/05/24
要旨 本論文では、クリエイティブ産業におけるイノベーションが求める議論と、その内容を検討した。クリエイティブ産業とは、英国のブレア政権[1997-2007]によって創られた産業(イメージ)であり、技芸[art]、つまり、人が知識を活用するプロセスの論理に再構築された「企業者」(Schumpeter 1912)像である。クリエイティブ産業のイノベーションとは、場(市場や業界、顧客との関係など)の発展と繁栄であり、綿密に計画され、実行された人や組織の表現と、その数値で確認できる、時間的・空間的反響である。第一に、クリエイティブ産業におけるイノベーションとは、知りすぎた社会を舞台にした、表現としての創造である。言語の構造やその組み合わせで説明できる、ある客体が普及すると必然的に起きるような変化は、文脈を変えて論じていても、馬車を何台も繋げているのと同じであるが、当然、表現には、馬車を繋げる人々、つまり、オーディエンスも必要である。第二に、芸術大学や芸術・人文学までがイノベーションの実現に貢献しようとする英国の動きは、イノベーションを希求する人や組織には不可欠な考え方を提供している。過去の規律に基づく観察者の主観=イメージや意味の正当化ではなく、言語や数値として存在する客体の分析でもなく、知識を創造させ、知識と共創され、言語や数値によって伝達・共有される意識、つまり人々の視点・思考・実践とその変化の法則性中心の考え方である。第三に、しかしながら、この動きは、人の行為やその結果についての議論の多く(例えば、階級、創造性、デザインなど)もすでに経験してきた議論の転回に過ぎない。言い換えれば、これまでのイノベーションについての議論の結果として、新しい、面白い、素晴らしい、といった、形容詞を使えば容易に説明できる、しかし、簡単には実践できない人の感情やものの質を創造する表現のプロセスについての議論が求められているのである。
備考
参考URL
ラベル クリエイティブ産業
登録日 2017/05/24

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