要旨
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新日本製鐵は、重要な経営資源である「コークス炉」の寿命を同時期に迎えるという経営課題に直面していた。その経営課題であるコークス炉の寿命問題を解決したのは、同社が開発した「コークス炉炭化室診断・補修技術(以下、DOC)」である。DOCは、設備寿命を延長させただけでなく、設備の熱効率や稼働率など向上させ、CO2排出量削減や省エネルギー化に貢献した。その結果、同社は経営への悪影響を回避することができた。コークス炉炭化室の1200℃という超高温と空間的制約のある極限の環境下に耐えるDOCを、同社の開発陣は常識破りのアイデアによって実用化させた。DOCを実用化させることができた背景や開発・実用化のプロセスをたどる。
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