要旨
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イノベーションは経済成長の原動力であるが、そのコアである知識創造とその問題解決への活用過程は、ブラックボックスとなっている面が大きい。イノベーション政策を検討していく上で、プロジェクト・ベースでその過程を把握することが重要となっている。本報告書は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下はNEDOと略称)のプロジェクトを対象とした研究成果である。NEDOはエネルギー及び産業技術の分野において日本の最大の研究開発支援機関であり、その多様な分野での研究コンソーシアムの経験は、今後の研究開発政策や企業の共同研究や研究連携への取り組みに重要な示唆を含んでいると考えられる。
本研究報告はNEDO支援プロジェクトを対象とした新たな質問票調査、NEDOの成果報告書、及びNEDOプロジェクトからの特許データの三つのデータソースを活用して作成している。更に、プロジェクト参加者へのヒアリングからの知見も反映している。
報告書は、特許データから把握したNEDOプロジェクト対象分野及び参加企業の特徴、NEDO報告書データベースから把握した技術分野別のNEDOプロジェクトの分布、質問票調査の回収バイアスの評価、NEDOプロジェクト参加のねらい及び参加時点の状況、プロジェクト組織とガバナンス、プロジェクトの成果、プロジェクトの特性と成果、プロジェクトからの波及効果、回答者のプロファイル、プロジェクト参加者の見解から構成されている。原則として、バイオ・医療技術、ナノテク・材料、電子情報、新エネルギー、機械システム、環境及び省エネルギーの7分野別に結果を述べている。
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