要旨
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近年、自動車メーカー・マツダが元気だ。すべての顧客に「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」を提供する、と宣言している同社オリジナルの「スカイアクティブ技術」と、「魂動」という統一されたデザインテーマを全面採用した新世代商品群が高い評価を受けているといわれている。とりわけ、2012年に「魂動デザイン」を採用した商品が導入されてからは、マツダの業績は好調であり、同社のカーデザインは、国際的な賞を次々に受賞するなど、日本の自動車メーカーのなかでも突出している。本ケースでは、ものづくり企業から価値づくり企業へと転身を遂げつつある事例として、マツダのデザイン戦略を取り上げる。いかにして、マツダのカーデザインはアートに昇華したのか。同社のデザイン関係者・開発現場への聞き込み調査をもとに、その経緯を探っていく。
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