要旨
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レーザは20世紀最大の発明であると言われており、1950年代以降、世界中で様々な研究開発が行われてきた。その中でも半導体レーザは20世紀のIT革命を牽引した基幹技術の一つであり、主に光通信や情報記録・処理に使用されている。東芝は1988年に半導体レーザをバーコードリーダーとして製品化することに成功したが、それは研究開発の中間生産物として生まれたものに過ぎなかった。本稿では、熾烈かつ漸進的な技術開発競争が繰り広げられる中で、東芝がいかにして半導体レーザの開発の成功と事業化に至ったのか、その経緯について記述する。
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