要旨
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デンソーは創立後の早い時期からオルタネータの開発に着手していた。従来品であるダイナモと同程度のメンテナンス性でありながら、出力性能が革新的に向上するために、ダイナモの代替品としてオルタネータの開発が望まれていたのである。デンソーはオルタネータをはじめ電装系部品において、ほとんどの製品でトップシェアを確保し、現在でも先進的な製品を創出している。先進的な製品や生産システムの開発を支えたのは、早くから導入していたマトリックス組織やコンカレントエンジニアリングであった。しかし、これらの取り組みが名ばかりのものであったならば、持続的な成功には結びつかなかったであろう。デンソーの成功とその背後にあった仕組みや開発・事業化のプロセスをたどる。
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