要旨
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三菱電機で行われた人工網膜LSIの研究は、デジタルカメラの心臓部となるCMOSセンサの製造を支える原動力となった。三菱電機における人工網膜LSIの事例は、研究所のメンバーが基礎研究、応用研究、生産・販売まで行った点で、同社にとって極めて革新的なものであった。この人工網膜LSIの開発と事業化の全ての段階に於いて直接リーダーとして携わったのが久間和生氏である。本ケースは、人工網膜LSIの開発と事業化の各プロセスにおける久間氏の重要な意思決定やその部下である研究員のモチベーション要因を中心に解説しながら、人工網膜LSI事業で生じるイノベーションの過程について記述するものである。
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