要旨
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千葉県富浦町(現南房総市)は、枇杷や花卉などの農産物・漁業・民宿を中心とした観光業によって発展を続けてきた。しかしながら、1975年頃をピークとして衰退の一途をたどっていた。その状況に危機感を覚えた当時の町長は、「座して疲弊を待つわけにはいかない」と大きな決断を下した。その決断とは、町の活性化を目的としたプロジェクトチームの発足である。その後、町の100%出資によって設立された株式会社とみうらは、道の駅の開設に向けて動き出すものの、赤字を懸念する声や民業圧迫という批判が町内に沸き起こった。こうした苦難にもかかわらず、とみうらは道の駅を開設し、これまで一定の成果を上げ続けている。本ケースでは、とみうらが地域資源を活用しながら苦難の道を乗り越えてきたプロセスについて記述する。
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