要旨
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今、日本は、環境問題(温室効果ガスの削減)、エネルギー問題(エネルギーの安定供給)、
経済問題(長期的な経済発展)という、互いに矛盾することの多い、3つの深刻な課題を抱えている。それは、解の見えない複雑な連立方程式のようでもあるが、その方程式を何としてでも解いて、
3つの課題を両立させなければならない。そこにしか日本の将来は見えてこない。そのために、さまざまな政策的対応が考えられている。しかし、企業や産業といったミクロの視点から見ると、それらの政策は、日本企業の国際競争力の向上を通じた長期的な経済発展への貢献という点が、十分に考慮されていないように映る。いまわれわれに必要なのは、技術や産業の現実を深く理解した上で、エネルギーミックスの転換を進めるための照準とタイミングを明確にしたシナリオを持つことである。
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