要旨
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1990年代初頭より〖CO〗_2輩出量削減要請の高まりを背景に、サルファーフリーガソリン(自動車燃料内の硫黄含有量数10ppm以下のガソリン)の研究開発が、日本国内の石油会社で進められた。中でもJX日鉱日石エネルギー株式会社(JXNOE)は、〖CO〗_2輩出量の規制値が定められる前に他企業よりも逸早く基礎研究を進め、サルファーフリー燃料の効率的抽出方法を世界で最も早く開発し、普及させた企業である。そのサルファーフリー燃料の効率的抽出方法の技術は、いかにして開発され、事業化されたのか。JXNOEによるサルファーフリー燃料の研究開発と事業化プロセスを紐解くことで、企業がいかに技術開発を通して競争優位を確立するかについて考察する。
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