要旨
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複数の層からなる半導体デバイスの各層をミクロン・ナノレベルで平坦化するのがCMP(化学的機械的研磨)プロセスであり、これが半導体の技術進歩の鍵を握るプロセスの1つになっている。このCMP装置産業において、研磨機と洗浄機を一体化した装置を開発し、後発でありながら世界のトップ企業に上り詰めたのが荏原製作所である。同社のCMP装置産業における競争優位はどのように確立されたのか。また以前競争力を持っていた既存の研磨機メーカーや洗浄機メーカーにはなぜそれができなかったのか。さらにいったんは獲得したトップの地位を、同じく後発の企業に明け渡すことになったのはなぜか?荏原製作所のCMP装置開発のプロセスを追いながら、技術を基礎においた企業間競争の問題について考える。
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