要旨
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1959年創業の関西スーパーマーケットは、阪神地区に根差した中小小売企業であるが、今日多くのスーパーで使われているオペレーション方法を確立させた優れたイノベーターとして知られている。しかし、同社はこれらのノウハウを1社だけで独占せず、ライバル企業に対して、積極的に公開してきた歴史を持っている。経営学では、同業他社間の情報の「ギブ・アンド・テイク」の効果は認められているが、関西スーパーのライバル企業への方針は、単純な「ギブ・アンド・テイク」ではない。
ライバル企業への情報公開によって、どんな効果が出てくるのだろうか。また、自社の競争優位を揺るがすことにならないだろうか。本ケースでは、単純な「ギブ・アンド・テイク」という枠組みから離れ、ライバル企業間の情報交換、情報公開という問題を考え直す。
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