要旨
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長期にわたって増収増益を続けてきたリコーにとって、デジタル複写機の開発と販売は、同社の複写機事業の歴史を振り返るうえで画期的な出来事であった。アナログ複写機全盛の1980年代に、他社に先駆けてデジタル技術へ大きく舵を切るという方向転換はリコーにとって大胆な戦略のシフトであった。いかにしてリコーはこの大きな転換を成し遂げたのだろうか。本ケースは、デジタル技術の出現が多くの業界にきわめて大きな影響を与え、デジタル化の進展が従来のリーダー企業の競争優位性を喪失させるなか、複写機業界においてこの転換に成功したリコーの歴史と実績を紹介する。
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