要旨
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京セラのプリンタ・複写機事業は競合他社と比べ、規模としてはそれほど大きくはないものの、収益性は良好である。同社はプリンタ市場に参入した直後は後発者の地位に甘んじていたが、のちに本業である産業用セラミック製品の技術を活かして、消耗部品の寿命を飛躍的に高めつつ、生産コストの低減を実現する「長寿命電子写真プロセス」技術を開発した。この技術を最初に応用したページプリンタは、環境保護と低ランニングコストという利点をもたらす画期的な製品であった。競合他社の動向を眺めつつ、このような独自技術を事業で活用してきた京セラの技術開発と事業展開のプロセスをたどる。
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