要旨
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公文式は自学自習で教材に取り組むことにより、基礎学力を身につけていく学習法である。1955年に公文公が算数教材を扱う教室を創設し、公文教育研究会が設立された。同社はフランチャイズ制度のもと、日本全国への教室展開を行っていったが、1970年代からは海外進出を積極的に開始した。現在、世界45の国と地域に教室を展開し、世界中で400万人以上が公文式を学習している。創業以来、「子どもたちのために」をはじめとするミッション、ビジョン、バリューを大切にしてきた同社ではあるが、グローバルな知識共有とその蓄積を活用して、2005年よりインドでの事業展開が始まった。教育制度や文化の全く異なるインドにおいて、同社海外法人の最年少社長(当時)のリーダーシップのもと、どのようにそれらの壁を乗り越え、人材開発を行ってきたのか。本稿では、同社のインドでの事業展開の経緯をたどり、同社がめざす理念主導型グローバル戦略の視点から、今後の課題や展望を探る。
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