要旨
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産学連携に関するさまざまな施策が過去10年以上にわたって推進されてきたが、今後の展開のためには、産学連携による知識の創造・融合・移転のプロセスの解明が政策的にも学術的にも求められている。一橋大学イノベーション研究センターおよび科学技術・学術政策研究所は、産学共同発明特許を生み出した産学連携プロジェクトにかかわった3000人以上の国立大学研究者およびほぼ同規模の企業研究者に対して大規模な質問票調査を実施した(回収率約25%)。本稿では特に、産学連携における資源投入、成果および波及効果に着目した基礎的知見を紹介する。同調査により、共同発明を通した日本の産学連携は企業によるイノベーションにとって重要な貢献をしていることが示唆された。
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