要旨
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生産財における真の顧客志向とは、顧客企業だけでは創出できない高度な経済的価値(機能的価値+意味的価値)を提供することである。生産財企業がこれを実現するためには、多様な顧客企業の現場に深く入り込んで、顧客価値が提案できる能力を蓄積しなくてはならないが、多くの企業では、それができていない。本稿では、提供すべき顧客企業にとっての経済価値とは何かについて整理した上で、計測制御機器メーカーであるキーエンスの事例を通じて、生産財企業が、顧客企業や産業動向に関する知識をいかにして蓄積し、顧客価値提案能力をどのようにして高めていくのかについて議論する。
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