要旨
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特許権の価値を予測する変数として、成立した特許権のクレーム長さ(筆頭請求項の文字数)の逆数を提案し、非特許文献の引用の変数とともに、出願人前方引用数を被説明変数として検証を行った。被引用数がトップ1%であるようなきわめて重要な特許の価値の変動の説明は、従来の変数だけでは不十分で、クレーム長さ、非特許文献の引用が大きな説明力を有した。これは、特に電気・電子の分野で顕著であった。また、日本と主な外国の居住者が日本で取得した電気・電子分野の物の発明の特許について、クレーム長さ、非特許文献引用率についての1990年代以降の推移を比較し、1990年以降、わが国の企業のパイオニア発明の産出力が低下した可能性があることを示す。
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