要旨
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イノベーションマネジメントに関する近年の大きな変化の1つは、顧客価値の暗黙化である。客観的に評価・測定できる商品の機能や仕様だけでは商品の価値が決まらない傾向が強まった。顧客価値は、顧客が使用するコンテクストと主観的な評価、感性・情緒などに依拠する。結果的に、数値化や言語化ができない暗黙的な価値が重要になっている。顧客価値の基準が変化してきたのである。本論文では、顧客価値の暗黙化に向けて、①価値創出を考える枠組みとしてのSEDAモデル、②それを実現する組織構造と分業体制の見直し、の2点を提案する。日本企業が再び、ものづくりで世界的な競争力を高めるための必要条件である。
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