要旨
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この20年間にわれわれが経験した社会経済の変化の背後には、①半導体の微細化、②モジュール化、③情報通信の高速化という、電子情報技術を中心とした3つの進歩があった。それらは、複雑で巨大なシステムを処理する力をわれわれに与え、新たなサービスやビジネスの導入を促すとともに、産業や企業の競争基盤に抜本的な影響をもたらしてきた。本論文では特に、製品という人工物が長い間維持してきた安定的な概念や境界の崩壊を導くことによって、これら3つの進歩が産業や企業のあり方を変えてきたことを論じる。議論の内容を描写するために、この20年間に栄枯盛衰を経験したデジタルカメラ産業の分析を紹介する。
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