要旨
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997年に一橋大学にイノベーション研究センターが設立されて20年が経つ。その間、日本にとっては国際競争力が低下し続ける「失われた20年」であった。こうした状況のなかで、今後20年をかけて取り組むべきイノベーション研究の課題はどこにあるのだろうか。本論文では、同時代における日米企業の時価総額のデータなどから、時代を牽引する産業群の新陳代謝の問題を分析する。ITを中心とする新産業がリードするアメリカと、新陳代謝が硬直化している日本の対比を明らかにする。そして、日本が21世紀社会のプラットフォーム競争において生き残るために、新しい企業を生み出す仕組みと、アントルプルヌアを生み出す仕組みの研究こそが不可欠であることを提起する。
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