要旨
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イノベーションとは新しいものを創出することであり、既存の考え方や枠組みの延長線上に存在するものではない。イノベーションを起こす人や組織は、独自の視点や考えを保持しており、他人の目からは奇異に映るかもしれない。したがって、イノベーションを起こす人や組織は合理的な考えよりも自らの直感を優先し、外部から与えられる動機づけには反応しないと考えられる。果たして、インセンティブはイノベーションを促さないのだろうか。本論文では、イノベーションとインセンティブの関係を契約理論の視点から捉え、イノベーションを起こす人や組織はインセンティブに反応するだけでなく、インセンティブの仕組みを積極的に利用していることを考察する。
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