要旨
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2017年1月にクアルコムが米連邦取引委員会とアップルから標準必須特許の問題で提訴され、注目を浴びている。1990年代から始まった標準必須特許の諸問題が20年以上経過した今でも絶えず続いている。その理由は、標準必須特許の諸問題が難題化または深刻化したからではなく、その問題に対する解決策がなかなか見つからないからである。問題解決が難しくても、研究者がその問題を野放しにしたわけではない。実際のところ、さまざまな角度から研究が進められており、その結果、標準必須特許問題に関する多くの知見を得ている。本論文では、これまで行われてきた標準必須特許の諸問題に関する議論を代表的な研究の紹介とともにまとめ、その上で今後の課題を述べる。
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