著作分類
|
論文
|
著者
|
木村めぐみ
|
論文タイトル
|
複製技術のデジタル化時代の芸術的製品ー組織化された作家集団マツダとそのモンタージュ思考ー
|
機関名
|
名古屋大学国際言語文化研究科 愛知県立芸術大学音楽学部音楽学コース 共同連携芸術プロジェクト2016/17「芸術とイノベーション」
|
巻
|
|
号
|
|
ページ
|
|
出版・発行年月
|
2017/03/20
|
要旨
|
ヴァルター・ベンヤミンは、その『複製技術時代の芸術作品』(Das Kunstwerk im Zeitalter seiner technischen Reproduzierbarkeit:1936)において、映画の登場、つまり、科学技術の進歩がもたらした芸術概念の変化について論じた。その変化とは、主に1)アウラ(「いまーここ」的性質)の喪失、2)礼拝価値と展示価値のあいだの量的な重心の移動、3)大衆の芸術への関与のあり方の変化である。
本稿では、2012年以降に発売された、日本の自動車メーカーである、マツダの製品とその開発・生産プロセス(延岡・木村2016)を事例に、以後80年間の科学技術の進歩が芸術概念に与えているさらなる変化を明らかにした。その結果、芸術概念は今日、統計上は芸術と呼ばれない製品にまで拡張されていることがわかった。映画の場合、制作や上映におけるデジタル化が進んだように、大衆の芸術への関与のあり方はさらに変化し、それとともに、展示価値と消費価値のあいだの量的な重心の移動も見られるようになった。一方で、技術製品には、展示価値や礼拝価値の追求が求められ始めている。芸術作品と技術製品の価値の違いが曖昧になり、どのような産業においても、芸術作品と技術製品の両方の価値を備えた「芸術的製品」と呼べるものづくりが必要になっている。19世紀以降、芸術は、絵画や写真、映画といった、もののカテゴリーで定義され、その概念を広げてきた。しかし、芸術は近年、「知識を活用した人の行為」という本来の意味を取り戻し、人の行為とその結果(もの)の質を表す概念として機能し始めている。
|
備考
|
|
参考URL
|
|
ラベル
|
クリエイティブ産業
|
登録日
|
2017/03/30
|