要旨
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本論文では、情報技術の進歩に伴って出現したデザインの役割を明らかにした。デザインの新しい役割は、創造的転回の実現、つまり、人々の知識の問題の解決を通じて、情報技術の進歩に適応するプロセスを構成することある。第一に、組織のデザイン、特に、科学、芸術、技術に関与する人と、その仕事の設備を設けてきた政府、産業、大学などにおいて、人々の内的な推進力を創出し、集団的な飛躍を見せるプロセスを構成すること。第二に、戦略のデザイン、組織の合理性を超えたヴィジョンや戦略を通じて、過去の限界と矛盾を発見、問題化し、解決するプロセスを設計すること。第三に、知識のデザイン、これまで別々に仕事してきた人々を結び合せることによって、時と場にあった知識を創造すること。デザインの新しい役割は、これまでの描写されたイノベーション(Innovation by Description)とは異なる、体験されたイノベーション(Innovation by Acquaintance)、つまり、創造という社会的プロセスを構成することである。
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