要旨
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製パン企業であるタカキベーカリーは、広島を拠点とするアンデルセングループの傘下で、特にホールセール分野のパンを主力とする。アンデルセングループは、①妥協のない本物志向、②商品を売る前に生活を売るという姿勢、③長期的視野での人材の育成、といった側面で顕著な特徴を有している。タカキベーカリーが2005年に発売した「石窯パン」は、従来のホールセールでのパンとしては画期的な商品であった。従来までのホールセールの生産ラインでは高い「効率性」を実現してきたものの、「石窯パン」では効率よりも「美味しさ」を最優先にして生産ラインが全面的に見直された。また、高付加価値商品である「石窯パン」が流通チャネルを確保する上で、商品の価値を買い手にしっかりと伝える営業の力が需要な役割を果たした。近年、タカキベーカリーは本社を広島に置いており、そこでは地方にあるがゆえのメリットが認識されている。
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