要旨
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石川県七尾市は能登半島の中央部に位置し、約5万人と能登地方における最大の人口を抱える中心都市である 。天然の良港である七尾港を持ち、江戸から明治中期にかけては海運の物流拠点として繁栄していた。特に、当時の物流の大動脈であった北前船の寄港地として、七尾和ろうそくや米など、能登の物資を日本海側の各都市へ輸送し、北海道からは昆布などの海産物を持ち帰る上で重要な役割を果たしていた。
しかし、第二次世界大戦終結後の1947年をピークに七尾市の人口は減少傾向にある(図表1)。近年の七尾市は、常に自然減・社会減の状況であり、特に自然減の傾向が強まっており(図表2)、2000年以降は事業所数も大きく減少している(図表3)。本稿では、衰退の危機に直面してきた七尾市が、1970年代以降どのようにまちづくりを行なっていったのか、その推移を辿る。
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