要旨
|
2020年3月の国連教育科学文化機関における教育担当閣僚級会合で、参加11カ国中、日本以外のすべての国が新型コロナウイルスによる外出制限・休校期間中にオンラインで指導をしていたことが判明した。日本の決定的な遅れという現実を前に、ようやく日本でも教育分野でのDXの議論に勢いがついたといえる。本論文ではまず、現在進んでいる教育制度・現場でのDXの事例をいくつか紹介する。教育コンテンツはオンライン形式によりオープンに提供され、教育方法はエドテックの開発に伴って、より個別化され効率化されるようになる。それらの流れは、教室で行われた教育をオンライン化するだけにとどまらず、これまで曖昧だった教育効果全体の向上をめざす方向に進んでいる。そのうえで、こうした改革の効果と限界点について論じながら、今後の教育制度・現場の意義やあり方について考える。
|