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著作分類 IIRワーキングペーパー
著者 市川 類
論文タイトル 社会規範の差異が人工知能(AI)の規制・イノベーションに与える影響 ~欧州AI動向から見る知的対話システムの倫理的リスクに係る地域的差異~
機関名 一橋大学イノベーション研究センター
ナンバー WP#21-03
公開日 2021/09/10
要旨 技術・イノベーションは、一般的に、人間社会に対して大きなメリットをもたらす一方、その利用方法によっては、人間社会の有する社会規範(倫理)に抵触する可能性がある。このため、必要に応じ、当該技術・イノベーションに対して何らかの規制・制度が構築され、規律(ガバナンス)がかけられることになる。 その際、デジタル・AI技術については、特にプライバシー、公平性などの人権に係る社会規範(倫理)への影響が指摘されており、このため、近年、いわゆるAI倫理として、世界各国・機関においてAI原則が制定されてきている。その際、このような社会規範は、国・地域によって異なるため、AI原則はもちろんのこと、各国・地域によって、その規制・制度が異なるものとなる可能性がある。 このような認識のもと、本ワーキングペーパーでは、特に「人間-機械」関係に係る社会規範に係る欧州と日本とでの差異が、両地域における規制・制度動向にどのような影響を与えているかについて考察することにより、AI技術の一部であるとともに「人間-機械(AIシステム)」のインターフェースとして今後重要な役割を担う「知的対話システム」について、今後その開発・利用において生じ得る倫理面でのリスクの可能性について明確化する。 具体的には、まずは、知的対話システムに係る今後の技術の発展方向を見据えた上で、次に、「人間-機械」関係に係る欧州と日本の文化上の差異によって、欧州、日本それぞれのAI原則に異なった特徴が示されていることを分析する。その上で、これらを踏まえた上で、最近発表された欧州のAI法案を分析することにより、将来的な知的対話システムの開発・利用においては、公平性、プライバシーなど世界的に比較的共有された人権に係る視点に加え、「人-機械」関係に係る文化の差異によって生じるリスクにも留意する必要があることを示す。また、今後のAI規制及び社会規範に係る国際的な調和も含めた方向について考察する。
備考
参考URL
ラベル イノベーション政策, 規制, デジタルイノベーション, 人工知能
登録日 2021/09/10

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