要旨
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標準化活動は日本企業にとっては長い間ボランティア活動のように扱われてきた。21世紀に入り、自ら標準化を率先することの重要性が認識されてきたが、企業の視点は個社で市場を支配することで得られるデファクト標準に向けれ、コンセンサス過程を持つ標準化活動はビジネスツールの主流とは見られなかった。ところがここ数年、コンセンサス標準化活動がルール作り活動の重要なツールとして注目され始めた。これは、標準化活動によって成立する任意規格が強制力を持つルール作りの第一歩として、企業が個社でも取り組むことのできる活動と認識されたからだ。本稿では、コンセンサスで作成された任意規格が強制力を高めていく過程を整理し、政府の支援制度がどのように強制力の強化に活用されているかを分析する。
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