要旨
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1992年に掘義人が創業した株式会社グロービス(グロービス)は、当時、日本初であったカフェテリア方式のビジネススクールを主な事業とする会社である。ハーバードMBAのエッセンスを、留学しなくても日本で、仕事を続けながら夜間に、短期間で、安い料金で、学ぶことができるというコンセプトであり、ビジネススクール事業の他にも、組織・人材開発事業、出版・ライセンシング事業、ベンチャーキャピタル事業を行っている。1998年6月期の売上高は11億8000万円、コース数は東京と大阪で40を超え、年間の受講生も延べ4000人に達している。この成功の背景には、掘氏の企業家としての資質によってもたらされたさまざまな要因があった。具体的には、徹底したマーケティング戦略やブランド戦略、そしてバランスのとれた最適ポートフォリオなどである。それらの要因がいかにしてもたらされたのか、その過程を追う。
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