要旨
|
1990年代、国内有数の銀塩カメラメーカーであったオリンパスは、既存事業のほとんどが成熟段階に入り、新規事業の立ち上げが喫緊の課題となっていた。そうした中、同社は主力事業であった銀塩カメラの代替を意図し、デジタルカメラの開発に着手した。その結果開発されたキャメディアシリーズはヒット商品となり、国内・海外を合わせて96年に7%であった市場シェアが97年に23%にまで跳ね上がるなど、同社のデジタルカメラ事業は大きな成果を残すこととなった。同社はなぜ主力事業を代替するような新規事業に着手するという行動を取れたのか。また業界内では後発であり、開発に必要な技術を社内に持たない同社が極めて短期間で高い市場地位を確立できたのはなぜか。その背後にある要因に迫る。
|