要旨
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1923年に発見された発光ダイオード(LED)は、半導体製造技術の発展に伴い、橙、黄、緑色LEDの高輝度化が進められ次々と実用化された。しかし、波長の短い青色LEDの高輝度化だけは、世界中の研究機関や大手企業が競って開発を進めてきたものの、なかなか実現できなかった。そのような中、中堅メーカーの日亜化学工業が、開発課の一研究員であった中村修二氏の手によって1993年に世界で初めて青色LEDの実用化を達成した。本ケースは、同社の青色LEDの開発の経緯と成長過程、周辺技術や市場、競合他社の動きを整理することを通じ、今後の同社の競争戦略を考えるための材料を提供するものである。
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