要旨
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ハウス食品は、玉葱を切ったりすりおろしたりした時に、涙を誘発する成分の原因となる酵素を発見し、世界的な注目を集めている。基礎研究レベルの研究成果としては、会社創業以来初めてともいえる快挙であり、以後、「涙の出ない玉葱」の商品化や他分野への応用を検討している。ただ、本格的な事業科にあたっては、長期間にわたる多大な投資を必要とするうえ、遺伝子組換え技術が利用される可能性が高い。即席カレールウなどの家庭用の加工食品を主力事業とする同社にとって、新分野への取り組みは、既存事業に影響を与えかねない。本ケースでは、この世界レベルの技術シーズを会社の将来にどう活かすのか、ハウス食品の直面する難しい戦略的課題を考えている。
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