要旨
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ヤマハは1888年に設立された世界屈指の楽器メーカーである。かつてヤマハは、ピアノや管楽器など物理的に音を出すアコースティック楽器を製造してきたものの、今では電子オルガン等の電子楽器やそのデバイスである半導体までも自主生産する。アコースティック楽器メーカーであったヤマハが、仕組みの全く異なる電子楽器を作りえたのはなぜだろうか。楽器とは一見無関係の半導体事業に参入したのはなぜだろうか。そして、音源半導体に関する技術はいかにして開発されたのか。本ケースは、こうした問いを中心として、ヤマハが独自の音源技術を構築していく過程を記述したものである。
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