要旨
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温度補償方水晶発振器(TCXO)とは、携帯電話に搭載され周波数制御機能を担う電子部品である。京セラは1994年、携帯電話端末の普及とともにTCXO市場へ参入したが、その技術的未熟さから国内市場における存続が危ぶまれていた。しかし、TCXOの小型化を進めるにつれ、国内の市場シェアを二分するような代表的な企業へと成長する。最後発での市場参入、水晶技術を持ち合わせていないことによる製品品質の低さ、歴史の浅さという悪条件を抱えながらもシェアトップにのぼりつめることができたのはなぜか。京セラにおけるTCXO開発の過程をたどり、その製品開発の特徴を探るとともに、TCXO小型化競争における同社の優位性の鍵を考える。
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