要旨
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無錫小天鵝は、世界約100カ国に輸出を行う中国最大の洗濯機メーカーである。2005年度の全自動洗濯機の世界シェアは第3位で、中国国内においては10年以上にわたってトップシェアを維持している。同社は、1979年に無錫市政府によって設立された洗濯機工場に始まるが、現在に至る成長を遂げた道のりは決して平坦なものではなかった。初期の段階は、技術導入だけでは製品が作れないという「技術の壁」に阻まれ、1990年代以降は、販売ルートの構築やブランド戦略に着手して「経営の壁」を克服し、2000年に入ってからは、企業ガバナンスの変更という「資本の論理の壁」に直面した。どのようにして、小天鵝はそれらの大きな壁を克服してきたのだろうか。本ケースでは、創業から約30年にわたる同社のマネジメントのプロセスをたどる。
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