要旨
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セラミックコンデンサは電子回路の構成部品であり、身の回りの電子機器に多数組み込まれている。同製品が広く普及した背景には、1990年代に入り、内部電極に従来の高価な貴金属に代わって安価なニッケルを用いた製品が実用化されたことにあった。ニッケルを内部電極に使用するには信頼性の面で大きな課題があったが、その課題を克服し、実用化の先陣を切った一社が、TDKである。TDKはどのようにして信頼性の高いニッケル内部電極積層セラミックコンデンサを開発、事業化していったのか。1970年代以降の日米の主要な企業の行動も視野に入れながら、その過程に迫る。
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